復元納棺師、笹原留似子さんの講演会に行ってきました。
大切な人の死は、誰にとっても受け入れがいたもの。
ましてやその亡骸が生前の姿を留めていなかったら、
到底その死は受け入れられません。
復元納棺師は、
その亡骸をできるだけ生前に近い姿に戻し、
遺族がしっかり故人と向き合ってから見送れるようにする仕事です。
私は観ていませんが、
映画「おくりびと」で、初めて知った方も多いのではないでしょうか。
復元納棺師には二つの大きな仕事があります。
亡骸を生前通りに復元するという仕事と、
遺族と故人の橋渡しをする仕事。
この遺族と故人の橋渡しというのは、
遺族が故人に伝えたいことを掘り出し、
また故人がどんな想いで亡くなっていったのかを探り、
その両者の想いを繋ぐことによって、
遺族は故人の想いに触れ、初めて見送れるといいます。
笹原さんは言います。
「悲しいのは思い出がたくさんあるから。
お見送りは、その悲しさを宝物に変えていく作業です」
故人が「どう死んだ」から「どう生きた」に想いを巡らせる。
生も死も決して別物ではないのです。
「最後に心霊写真を見せましょう」
子供たちが楽しそうに遊んでいるその写真には、
「この中にいないはずの人が写っています」
よく見ると、子供たちの間に人の顔が。
どよめく客席。
笹原さんに言わせると、
こんな心霊写真は、たくさんあるのだそうです。
ここで驚いたのは、
こういう心霊写真を見ると、子供たちはまず
「この人誰だろう?」と言うのだそうです。
「うちのお父ちゃんに似ているけど〜^^」
「〇〇君が遊びに来たのかな〜^^」
全く怖がらないそうです。
彼らにとってゆうれいは、
いつも近くにいる親しい存在なのです。
そうなったのは、彼らなりに、その人ときちんとお別れができたから。
大変な作業だったと思いますが、きっとそうだと思います。
あの世とこの世で話ができる。
私たちも亡くなった猫さんや人に、なんだかんだ話しかけたりしています。
実はこれって、とても豊かなこと?と思わせてくれた、105分でした。
長文お読みいただき、ありがとうございました。