先日修理してもらったタンスは、上田の「キビクラフト」さんというところでやってもらいました。
そこは綺麗にリペアされた古家具や雑貨なども売っているのですが、時々古本などもあります。
先日タンスを引き取りに行った際に、一目ぼれした本がありました。
『きつねのざんげ』
安野光雅さんの絵本です。
装幀のとおり、それはもう美しい本です。
白、ブルー、茶色、グレー…
安野光雅さんの抑えた色調が、逆に冬の暖かさを醸していて、
何とも優しい気持ちになります。
でもそれだけだったら買わなかったかもしれません。
題名がとても気になったのです。
きつねは何をざんげしたのだろう。
もしくはしなかったのだろう。
タンスの用意ができるまで少し時間がありました。
その間パラパラめくっていたら、もしかしたら分かったかもしれません。
でもなんだかそれはしちゃいけないような気がしました。
あらすじを追うより、1頁1頁味わいながら読む。
そんな気持ちになったからです。
家に持って帰って表紙を繰ると、古い紙の匂いがしました。
窓の外は強い日差しが照りつけています。
そんな夏の最中に読むこの冬景色が美しい本は、静かで切ない本でした。
『きつねのざんげ』1979年 岩崎書店発行
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