茨木のり子を再読してみた

以前読んだ本を引っ張り出してみると、

前と違うところに心魅かれたりすることがある。

こんなところあったっけ?というくらい内容を忘れちゃってるから、いつも新鮮に読めるのだけれど(^▽^;)

 

今回読み直した茨木のり子の『歳月』はまさにそんな感じ。

前回はまったく覚えていなかった「道づれ」という作品に、今回はとても心を動かされた。

茨木のり子の夫が亡くなったちょうどひと月後に、親交のあった詩人の金子光晴も亡くなって。

ふたりして、他の誰彼も巻き込みながら「カラッとした世界へ出ていった」という詩。

明るく、まるで観光地を見て歩くようにあちらの世界へ行く様がとても爽やかで。

私もあちらの世界へ行くときは、こんな風にして行きたいものだと思ったのでした。

f:id:asa67kin:20201126233050j:plain

『歳月』花神

 

f:id:asa67kin:20201126233045j:plain

茨木のり子詩集』岩波文庫

 

 

実はこの「道づれ」、

初め『歳月』の方で見つけ、『茨木のり子詩集』にも載っているかしら?と探した際に、パッと初めに開いたページが、まさに「道づれ」でした。

「道づれ」に導かれた?


探す手間が省けたのでよかったのですが、まるで本が自己申告してきたようでドキンとしました。

 

つい先日も、パッと開いたページが奇しくも探していたページだった。という話を聞いたばかり。

偶然かもだけど違うかも?

ちょっと不思議な本の話でした。