6年前に旅立った横尾忠則さんの愛猫タマ。
『タマ、帰っておいで』は、そのタマの絵91点と、
日々の想いが綴られています。
「この絵はアートではない。猫への愛を描いた」
この言葉に、来訪していたオノ・ヨーコさんはこう応えたそうです。
「それこそアートじゃない!」
さすがLOVE&PEACEの人です。
巻末には、
「タダノリ君へ。タマでーす。」から始まる手紙が載っています。
「君が君の人生を終えてこちらに来る日までは待ってあげるから、安心したまえ」
「私は君が考えている以上に成仏しています。むしろ君の方が心配」等々、
随分とタマはタダノリ君を心配しているようです。
散々言った挙句、
「君は説教されるのが好きでしょう?ホッホッホ。」と高笑い。
タマさんの方が一枚も二枚も上手です。
そしてこの手紙はこう締めくくられます。
「この手紙は君へのラブレターです。
どうか猫のように生きてください。
困った時はいつでも思念を送ってください。すぐ飛んでいきますから。
裏庭のタマ霊園に眠るタマより」
タマさんが言うように、なんて最高のラブレター。
全編をユーモアと愛情が溢れる1冊でした。